判定法を覚える前に、数の仕組みを見る
「一の位が偶数なら2の倍数」「各位の数字を足して9の倍数なら、元の数も9の倍数」。倍数判定法は便利ですが、項目を丸暗記すると、数字を取り違えたときに確かめられません。
判定法は、私たちが使う十進法の位取りと、割る数の性質から生まれています。理由が分かれば、別々に見える規則がつながります。
2と5は、なぜ一の位だけで分かるのか
どんな整数も、「10の倍数」と「一の位」に分けられます。たとえば347なら、340+7です。
10は2でも5でも割り切れます。そのため340の部分は必ず2の倍数であり、5の倍数でもあります。残る一の位だけを見れば、元の数が2や5で割り切れるか判断できます。
- 2の倍数:一の位が0・2・4・6・8
- 5の倍数:一の位が0・5
一の位を覚えるだけでなく、10のまとまりがすでに割り切れるから、一の位だけが残ると捉えることが大切です。
4は、なぜ下二桁を見るのか
100は4で割り切れます。したがって、三桁以上の数に含まれる100のまとまりは、4の倍数かどうかの判定に影響しません。
たとえば7316は、7300+16と分けられます。7300は100の倍数なので必ず4で割り切れます。あとは下二桁の16が4で割り切れるかを見ればよいのです。
100が4の倍数だから、100未満の部分である下二桁だけを確認する。これが4の倍数判定の理由です。
3と9は、なぜ各位の和を見るのか
たとえば345を位ごとに表すと、3×100+4×10+5です。
10は、3で割ると1余り、9で割っても1余ります。100や1000も同じく、3または9で割った余りは1です。
そのため、3×100+4×10+5を3や9で割ったときの余りは、3×1+4×1+5、つまり3+4+5を割ったときの余りと同じになります。
345 → 3+4+5 = 12
12は3の倍数なので、345も3の倍数
12は9の倍数ではないので、345も9の倍数ではない
各位の和を見るのは、10、100、1000を3や9で割った余りがすべて1になるからです。
11は、なぜ交互に足し引きするのか
10は11より1小さい数です。11で割った余りを考えると、10は「−1」と同じ働きをします。すると100は(−1)×(−1)で1、1000は再び−1というように、位が上がるたびに1と−1が交互に現れます。
だから、各位の数字を右から交互に足し引きした結果が11の倍数なら、元の数も11の倍数になります。
2728 → 8−2+7−2 = 11
11は11の倍数なので、2728も11の倍数
「交互に計算する」という形だけを見ると不思議ですが、10を11との関係で見ると理由が現れます。
判定法は、位取りを利用した短い計算
2・5・4・3・9・11の判定法は、互いに無関係な暗記項目ではありません。
- 10が割り切れるなら一の位を見る
- 100が割り切れるなら下二桁を見る
- 10の余りが1なら各位の和を見る
- 10を−1と見られるなら交互の差を見る
どの判定法も、元の数を扱いやすいまとまりに分け、割り切れる部分を先に取り除いています。理由から理解すると、判定法は暗記ではなく数の見方になります。
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