「逆数をかける」は答えではなく計算方法
分数の割り算では、「割る数を逆数にしてかける」と習います。
計算はそれで進められます。しかし、なぜ逆数をかけてよいのかを考えないままでは、分数の向きや掛ける場所を取り違えたときに、自分で確かめることができません。
まず見たいのは逆数ではなく、割られる量と割る量を同じ単位で表すことです。
5÷0.2は「0.1が何個あるか」で考えられる
5÷0.2は、5の中に0.2が何個あるかを求める計算です。
5と0.2をどちらも0.1を単位にして表すと、5は0.1が50個、0.2は0.1が2個です。
5 = 0.1が50個
0.2 = 0.1が2個
50÷2 = 25
同じ0.1という単位にそろえたので、あとはその個数同士を割ればよいわけです。小数点を動かす手順の奥には、単位をそろえるという考えがあります。
分数も通分すれば同じ単位になる
2/3÷3/4も同じように考えます。分母が3と4のままでは、数えている単位が違います。そこで通分し、どちらも1/12を単位にします。
2/3÷3/4 = 8/12÷9/12 = 8/9
8/12は1/12が8個、9/12は1/12が9個です。同じ1/12という単位の個数同士を割るので、8÷9、つまり8/9になります。
ここでは、最初から逆数を持ち出していません。通分して同じ単位にそろえると、答えが8/9になることを分数の意味から確認できます。
通分すると、なぜ逆数が現れるのか
一般に、a/b÷c/dを考えます。二つの分数を同じ分母bdにそろえると、a/bはad/bd、c/dはbc/bdです。
a/b÷c/d
= ad/bd÷bc/bd
= ad÷bc
= ad/bc
= a/b×d/c
最後に現れたd/cは、c/dの逆数です。
つまり「逆数をかける」という規則は、突然決められたものではありません。通分して同じ単位の個数を比べた結果を、短く計算できる形にまとめたものです。
計算規則と意味を行き来する
毎回通分してから分数の割り算を計算する必要はありません。逆数をかける方法は、速く正確に計算するための大切な道具です。
ただし、規則を忘れたときや答えに違和感があるときに、同じ単位へ戻って考えられることが重要です。
- この割り算は、何の中に何がいくつあるか
- 二つの量は同じ単位で見られているか
- 答えは元の量との関係から不自然ではないか
手順だけでなく意味を持っていれば、計算方法を自分で確かめられます。
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