公式を覚えても、割合で手が止まる
割合の問題で、「割合=比べる量÷もとにする量」という公式は覚えているのに、どの数をどこへ入れるのか分からなくなることがあります。
これは計算ができないからとは限りません。問題の中で、何と何を比べ、どちらを基準にしているのかが整理できていないことがあります。
割合は、単独で存在する数ではありません。必ず二つの量の関係を表しています。
割合は「基準を1としたときの大きさ」
20人のクラスに8人の男子がいるとします。クラス全体20人を基準の1とすると、男子8人の割合は8÷20=0.4です。
基準量:クラス全体20人
比べる量:男子8人
割合:8÷20 = 0.4
0.4とは、人数そのものではありません。全体を1としたときに、男子がその0.4にあたるという関係を表しています。
同じ数でも、基準が変われば割合は変わる
8人という数は同じでも、20人中の8人なら0.4、10人中の8人なら0.8です。
だから、問題文の数字だけを拾って割り算をしても、基準を取り違えると答えは変わります。
割合の問題では、計算より先に次を確認します。
- 何と何を比べているのか
- どちらを1と見ているのか
- 求めるのは割合・基準量・比べる量のどれか
割合と比は、同じ関係を別の形で表す
8人と20人の関係は、割合なら8÷20=0.4、比なら8:20=2:5、分数なら8/20=2/5と表せます。
表し方は違っても、どれも「8と20の関係」を見ています。割合・比・分数を別々の公式として覚えるのではなく、二つの量の関係を表す方法としてつなげることが大切です。
増減の問題では、基準が途中で変わる
中学受験算数では、値上げ・値下げ、濃度、売買損益など、割合を何段階にも使う問題が出てきます。
たとえば「20%値上げした後、20%値下げする」とき、二つの20%は同じ量を基準にしていません。
最初を100とすると、20%値上げ後は120です。次の20%値下げは120を基準にするので、24を引いて96になります。元の100には戻りません。
100×1.2 = 120
120×0.8 = 96
公式を二回使うだけでなく、各段階で「今、何を1としているのか」を確認する必要があります。
文章から関係を取り出す
割合が苦手なとき、計算練習だけを増やしても改善しないことがあります。問題文から二つの量を取り出し、その関係を整理する段階で止まっている可能性があるからです。
式を書く前に、次の順で確認してみてください。
- 比べている二つの量を見つける
- 基準にする量を1と決める
- もう一方がいくつ分かを考える
- 割合・比・分数の形で表す
公式は、この関係を短く表すためのものです。何を比べているかが見えれば、式の意味も見えやすくなります。
PRE5で、割合につながる土台をつくる
割合は5年生以降、速さ・比・相似・売買損益など多くの単元へつながります。新5年準備講座「PRE5」では、数量の関係を意味から捉え、次の学年の算数へ進む土台を整えます。